東 日 本 大 震 災
世 界 各 国 か ら の メ ッ セ ー ジ
世界の仏教最高指導者 及び王室・国家指導者の方々より、心からのお見舞いのお言葉が多数寄せられました。ここに、その一部を紹介させて頂きます。
クロアチア
Message from Croatia
佛教サミット代表 ダンマロカ佛教瞑想センター 管長
ザルコ・アンドリセヴィッチ大僧正猊下
私どもは、貴国を襲った大災害に、大きな悲しみを感じますと共に、先の見えない状況を克服せんが為に、超人的な努力を続けておられる日本政府と日本国民の皆様方に、深い哀悼の意を表します。非常に多くの死者を出し、甚大な被害をもたらした今回の悲劇には、私どもの教団だけではなく、クロアチアの人々は、誰もが、深く心を動かされております。
この大災害を目の当たりにし、私たち人間の存在の儚さ、そして、予知不能である自然の持つ力の大きさを、改めて強く、思い知らされました。瞬く間に、それまで自分たちが堅固だと思っていたもの、不朽だと思っていたもの、安全だと思っていたものが破壊されてしまったのです。あらゆるものは無常の流れの中にある故、人生において何事も、当たり前と思うことはできず、思うべきではないということが、より明白となりました。この世における堅固な錨などは決して存在せず、永続する保障もありません。しかしながら、この状況は希望のないものに思えるかもしれませんが、私たちの生活が、全く新しい方向へ向き、新しい感覚を取り入れ、「諸行無常」の深い意味を知り得ることが出来ると思います。難局というのは、危険と希望の二つを同時に有していると言われています。このような災難は、どんなに困難で苦痛に満ちたものであれ、私たちが自分たちの人間性や慈悲心、他者との深い繋がりを発見する手助けとなってくれます。つまり、自らの内なる慈悲心や聡明さを発見する手助けとなり、自分も他人をも最良の形で助けることを可能にさせてくれます。私たちの唯一、実質的で安全な避難所は、正に、この心であります。
世界中が、この大災害に対処する日本の人々の、驚くほど大きな無私の心、慈悲心、そして平常心に感動しています。この困難な時局の只中で、他人にこのような前向きの手本を示すことが出来るとは、本当に称賛に値するものであります。正にこれらの日本人の資質は、こういった難局においてこそ明確に見えてくるものであります。日本の人々は、必ずやこの大災害を乗り越え、日本国を安定した社会へと戻されますことを、私たちは確信しております。
2011年4月8日