感動的な基調説法をなされた「佛教之王堂」で開催される御開帳は
両国の仏教交流の歴史の中で　意義深いことです


　スリランカと日本には、「遠い隣国」という表現がふさわしく、共通の文化的見解を分かち合っています。共に、その歴史を通じ、仏教から大きな影響を受け、両国の文化的遺産は、主に仏教に基づいたものです。仏教が、互いの国民を結びつける、最も強い絆になっています。スリランカと日本の仏教徒の緊密な関係は、日本の明治維新後、近代になって確立されました。スリランカの仏教復興における指導者アナガリカ・ダルマパーラ師が、19 世紀の後半に日本を訪れ、日本の仏教徒たちは、スリランカにおける仏教復興を知り、スリランカに興味を持ったのです。
　現在、両国の仏教組織間の結びつきは非常に強固なもので、双方にとって有益なものとなっています。
　この意味において、2009年9月、「佛教之王堂」において、スリランカの仏舎利が御開帳されるということは、意義深いことであります。両国の仏教交流の長い歴史の中で、日本でこのような御開帳が開催されるのは、初めてのことです。
　私は昨年、我が国の首相閣下に同行し、「佛教之王堂」落慶法要に出席させて頂きました。様々な宗派を代表する仏教指導者が参列された、忘れ得ぬ出来事でした。この式典においては、儀礼やその他の些細な相違を乗り越え、様々な仏教宗派間で平和的対話が行われ、親睦が深められました。久世圓心定猊下による感動的な基調説法は、私たちが今日直面しているほとんどの問題は、釈尊の教えにより必ず解決できるということを、非常に明確に示しており、大変素晴らしいものでした。
　壮大な「佛教之王堂」を擁する広々とした仏教総合施設は、新しいナーランダ僧院がその敷地内に建設された暁には、仏教を学ぶ最高の中心地となるでしょう。
　日本国念佛宗とその御開祖であられる久世圓心定猊下に御祝いを申し上げます。猊下の御指導の下、この御開帳は開催され、日本の仏教徒の皆様にとって恵みとなるでありましょう。日本の多くの仏教信者の方々がこの御開帳に訪れ、この釈尊の御舎利を礼拝し、祝福を受け、この先何年にもわたって、両国の仏教徒の関係をより緊密にしてくれるものと確信しております。

首相顧問／元駐日スリランカ大使
G・ウィジャヤシリ